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矯正治療の機能的意義 不正咬合と咀嚼機能について
こんにちは!
患者様達から「先生、ハロウィンの飾りが毎年派手になってません?(笑)」と言われ、内心ちょっと満足している院長の今村です!まだ今月のタウンニュースに掲載する記事がどうなるか分からないのですが、それに関連することを書きたいと思います。
さて、私が大学院・大学病院に在籍していた頃にメインで行っていた研究テーマは、「不正咬合者の咀嚼運動」です。
もう一つは「矯正治療終了後、長期間(20年以上)が経過した患者様の安定性」に関することですが、これはまたいずれ別の機会に書きたいと思います。私の博士論文は「開咬患者の咀嚼運動 : 運動経路と運動リズムの安定性(Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 59(5), 317-328, 2000)http://ci.nii.ac.jp/naid/110004015616」です。
どのようなことをしていたのかと言いますと…
MKGと呼ばれる特殊な機械を被験者の頭部に装着して、小さな磁場空間を作ります。
そして下顎前歯に磁石を装着し、ガムを咀嚼してもらいます。
そうすると、咀嚼したときの磁石の軌跡が、咀嚼運動の軌跡やリズムとして記録されるのです。
それを、当時の日本歯科大学補綴学講座が開発したソフトで分析しました。
当時は自分の患者様どころか、他の先生方の患者様にもご協力いただき、何百人と記録・分析しました。
懐かしい…上段が、無意識下でガムを噛んでもらった時の任意の10回の咀嚼サイクル、下段左がその重ね合わせと平均経路、下段右が平均経路とバラつきを縦横の棒で示したものです。縦横の棒が大きいほど、咀嚼のバラつきが大きく、不安定であることを示します。
この写真のように、歯並びの良い方(正常咬合者)は、一定した形とリズムで咀嚼運動が行われるのが分かります。
一方、叢生(そうせい、八重歯、凸凹)の患者様を、矯正治療を行う前に記録したものがこちらです。
正常咬合者に比較して、各咀嚼サイクルの形が毎回バラバラで、また不安定であることが分かります。
そのため、咀嚼能率が悪いと想像できます。そして、矯正治療を行ったのちに記録したものが次の写真です。
治療前に比較して、咀嚼サイクルの形が均一化・安定化し、正常咬合者に近づいているのが分かると思います。
つまり、矯正治療によって噛み合わせが改善されるとともに、咀嚼機能も改善されたのです。このように、矯正治療は見た目を良くすることだけが目的ではありません。
機能を良くすれば、見た目は必然的に改善されるのです。
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